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【特集版】着物コラム

最も簡単な漢字による最も難しい読み方?一口はなんと読む

こんにちは。着物レンタルVASARAにてコールセンターをしていたスタッフです。国内外から人気を誇る京都には多くの旅行客が訪れます。その中で、比較的多く質問されるのが、当日ご利用されるお客様から京都駅の中でどこに店舗があるかわからなくなっちゃったので道案内してくれませんか?というご依頼です。中には見当違いな場所におられるお客様もいらっしゃいました。そんな中でどこにいるかを伺うとその住所が読めなくてさらに困ってしまうのです。実は京都は難読地名と面白地名の宝庫。このコラムでは、私が京都の地名で気になったところをピックアップしてご紹介いたします。今回は「一口(いもあらい)」です。

 

●そもそもなぜ難読の地名が多いのか

難読地名の多い京都、それは1200年以上の長い歴史の変遷の中で生まれてきた、古来の読み方を現代の読みに当てはめていたり、その場所に関係する出来事や人物に由来するため多くの難読地名が生まれたのだといわれています。

 

●いもあらいなんて読めない。一口の謎

現在、久世郡久御山町に「東一口」と「西一口」 の地名が残っているのですが、京都の中で一番簡単で、かつ一番間違われているのではないかと思った地名が一口です。初めて見た時、私は「ひとくち」か「いちくち」「いっこう」としか読めませんでした。実はこの地名「いもあらい」と読むそうです。読めない。ではなぜ「いもあらい」と呼ばれるようになったのでしょうか。

京都の南にかつて巨椋池(おぐらいけ)という京都では最大の池がありました。現在では干拓によって農地に変えられましたが、巨椋インターチェンジとして名が残っています。この巨椋池の西が一口の地として京都から南方へ向かう出入り口でした。平安時代の歴史書にもこの地名が記されているので、かなり古くからあった地名のようです。

ここは三方を宇治川、木津川、桂川に囲まれて村への出入り口は西の一か所しかありませんでした。そこで 「一口」 の字が当てられたといいます。ですが、それだと「ひとつぐち」などのほうが読みやすいと思うのです。ではなぜ一口と書いて「いもあらい」と読むのでしょうか。

●疫病のことを「いも」と呼んでいた?

この辺りは湿地帯で洪水が頻繁に起き、疫病がよく流行ったそうです。当時、疫病である疱瘡(ほうそう)のことを「いも」と呼んでいました。村の人々は疱瘡の「いも」が村に入らないように村の出入り口に稲荷を祀りました。稲荷によって疫病という忌むべきものを払おうと考えたのでしょう。そして、「忌みはらい」または「いもはらい」が、なまって「いもあらい」に変化したのだといわれています。「いもあらい」の「いも」とは野菜の芋 のことではなかったんですね。現在、残念ながら一口稲荷は残っていません。

 

●東京にもいもあらいがある?

実は東京にも「一口坂」と書いて「いもあらいざか」と読ませる坂が千代田区に二カ所あります。一つは神田の聖橋(ひじりばし)近くで別名淡路坂。もう一つは市谷(いちがや)駅近くの坂で、こちらは標識に「ひとくちざか」と書かれています。もともとは「いもあらいざか」というそうです。この二つの坂の読み方も京都の一口に由来するといいます。かつて京都の一口に建てられた一口稲荷は疱瘡を追い払う御利益があると関東にまで知れ渡っていました。室町時代に太田道灌(おおた どうかん)の娘が疱瘡にかかったとき、道灌は京都の一口稲荷神社の神さまを神田の地に招いて神社を建ててお祀りしました。そこでその近くの坂を一口坂と名付けたそうです。

 

アクセス

太田姫稲荷神社(一口稲荷神社)

所在地:東京都千代田区神田駿河台1-2

最寄駅:JR中央・総武線 御茶ノ水駅

東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅・淡路町駅

東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅

東京メトロ半蔵門線 神保町駅

都営地下鉄新宿線 小川町駅

都営地下鉄三田線 神保町駅

 

いかがでしたか?今回は京都の難読地名である一口をご紹介しました。一口を調べるときに検索した時も「京都 一口 読み方」と検索予測に出てきたので非常に間違われやすいのだろうなと思いました。若干京都駅から離れていますが、坂本龍馬ゆかりの寺田屋があり、宿泊もできるそうなのです。坂本龍馬が襲撃された弾痕と刀痕などお店の方が丁寧に説明、部屋は古風な歴史が感じられます。坂本龍馬の聖地巡礼へ向かわれる際はぜひ一口のことも気にかけていただければと思います。

そして、聖地巡礼にオススメなのが着物レンタルです。京都駅前に構えている着物レンタルVASARA京都駅前店をご利用いただければ気軽に京都での着物観光が体験できます。ぜひご利用ください。

 

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